アラカルト
40.大森彦七と鬼女伝説
 (1336)年の湊川合戦で河野氏らとともに足利尊氏の北朝方に参軍し、南朝方の
 楠木正成軍を破り、正成を切腹させました。
 この勲功により、彦七は新たに正木(伊予郡松前町)などの領地を得ます。帰郷後、その新
 領地にある金蓮寺で猿楽を演じようと砥部を出て矢取川を渡ろうとしますが、その川べりで
 一人の美女に出会いました。その美女が川を渡れずに困っているというので、彦七は心よく
 美女を背に負い川を渡ります。<BR>ところが川の途中で背に負う美女が急に
 重くなったので、不審に思い、月明かりで川面(かわも)に映った美女の顔を見ると、なんと
 それは鬼の顔だったのです。
 その鬼は楠木正成の怨霊(おんりょう)だといい、彦七の腰の刀を奪おうとします。
 豪勇の彦七は鬼を退散させますが、後に足利尊氏の弟・直義に事の顛末(てんまつ)を報告
 するとともに、その刀を献上しています。