捨てひじり一遍上人
16.一遍の旅立ち
 河野一族から出たユニークな存在が、捨てひじりと言われた一遍上人(一遍智真)です。
 湯築城の丘陵北側の麓には一遍が「南無阿弥陀仏」の六文字を刻んだという石造りの
 湯釜(湯釜薬師)が残されています。
 一遍上人は承久の乱で僧だったために生き残った通広(道弘=通信の四男)の第二子で、
 道後奥谷[現在の宝厳寺(ほうごんじ)と伝えられる]で生まれたとされます[延応元(1239)年]
 父の通広も河野氏存亡の危機に還俗(げんぞく)していたのでしょう。一遍は13歳で
 得度(とくど)しますが、父のように一度、還俗して武士になっていました。そして妻子を持って
 いましたが、思うところあって、再び出家します(一遍32歳)。